2019年9月28日土曜日

【酒と鉄のバラード】日本全国「酒鉄」ビール祭り・第2部

少々間が空いたが引き続き「鉄とビール」のお話である。秋に入っても「鉄とビール」は切っても切れないのである。今回は中部地方をめぐる。

★北陸BEER・アンバーエール



「酒鉄ビール祭り」後半戦、続いて登場するのは北陸の駅売店限定のその名もずばり「北陸ビール」だ。
大阪からサンダーバードで新幹線に乗り継いだ際に偶然遭遇した商品だが、
北陸3県内の主要駅売店と北陸の一部のセブンイレブンでのみ扱っている、そういう意味でも「プレミアム」なビールだ。味わいはホップの苦みと風味がよく生きているなかなかに力強い飲み口だ。といっても重厚感はなく、軽快なのど越しはどんどんいけてしまいそうで、これまたビールの醍醐味を堪能できる王道の一杯(一缶?)だ。
醸造元は「わくわく手作りファーム川北」という地元石川県川北町の農業法人だ。このほかにも「金沢百万石ビール」のブランドで地元産のビール麦を主原料とした良質のクラフトビールを世に送り出している。
国産というだけでなく地元産にこだわったまさに「地ビール」のお手本のような醸造所だ。
鮮やかなブルーでまとめられた缶のデザインもE7系の車窓から望む白山の風景にマッチしている。北陸の酒鉄必携のビールだ。

★盛田金しゃちビール 赤味噌ラガー
キワモノご当地ビールとしてはその筋ではすっかり有名になった「赤味噌ラガー」だが、醸造元の名を冠した
「盛田金しゃちビール」というブランドネームもなかなかインパクト十分である。筆者は名古屋から新幹線に乗るときは必ずと言っていいほど名古屋高島屋の地下2階にある酒類売り場でこいつを購入して乗り込んでいる。
味わいは特に味噌っぽいわけではなく、十分にコクのあるマイルドな風味なので極めて飲みやすい方だと思う。
このビールの場合、なんといってもありがたいのは瓶ビールでもキャップがプルトップ式になっていることだ。
普通の王冠だとどうしても栓抜きが必要になるので手間だが、このタイプはやはり手軽だ。そういう自分は常に
栓抜きを持ち歩いているのだが、やはり車内で一杯やるには缶かこのタイプの瓶ビールに限る。

★HYAPPA BREWS 家康B

どうして東海地方のクラフトビールは「キワモノ」感が強いのか?これが地域性なのかよくわからないが、こちらはもう完全に「ネタ」としてネーミング勝負をしている商品といってもいい。とはいえ「家康B」はイングリッシュ・エクストラビターというちょっと珍しいタイプのかなり個性的な本格派ダークビールだ。
ちなみに「家康B」とは「イングリッシュ・エクストラ・ビター」の発音から「いえやすびー」にたどり着いたネーミングだそうで、つまり駄洒落だ。このブルワリーではこのほかケルシュの「岡崎嬢」というビールも製造しているが、とにかくネーミングに力を入れていることは確かなようだ。
製造しているのは東岡崎駅近くにあるパブレストラン「Izakaya Ja Nai!!」(「いざかやじゃない」と読む。じゃあ何だ?)のアメリカ人オーナーだそうで、醸造所の名前も「HYAPPA BREWS(ヒャッパ ブリュース)」となかなかに日本人のセンスでは到達しないユーモアの世界だ。
どちらかといえば車内でいただいているときに、飲んでいる姿を見られる以上にこのラベルの文字を読まれる方が恥ずかしいかも。とはいえガラ空きの313系新快速のシートでこいつを一杯やると天下とった気分になれるのである。(本当?)
ちなみにこちらのブルワリーの商品はいずれも「王冠」ガラス瓶スタイル。栓抜き必須です。

★御殿場高原ビール
第一部でも登場した「時之栖」が自信をもって(?)世に送り出しているメインブランド「御殿場高原ビール」が満を持して登場。個人的には、芸術的かつインパクトのある赤富士のイラストが気に入っている。車窓に置いた時の缶と風景(できれば本物の富士山をバックに)のマッチングがイカしていると思う。加えてここの配色にちょっと東急電車っぽい雰囲気を感じるのは自分だけか?ちなみにこちらは苦みを抑えたピルスタイプなので、旅の途中の一杯には好適品だ。
この調子でいくとまだまだキリがないので今回はここで一段落することにするが、いささか飲み過ぎの感があるので今回は「オールフリー」をやりながらOASISの「WHATEVER」ですっきりと寝ることにする。                      ###