@中央林間 |
こんな感じ。
このサイズで見るとよくわからないと思うが、車内広告がサイネージも含めて1社で独占されている。これを業界では「広告貸切電車」、あるいは「トレインジャック」と言ったりしている。よく新製品や新しい商業施設が出来た時に使う手法だ。東横線の「HIKARIE TRAIN」なども自社の宣伝ではあるが、基本的に同じようなものだ。編成のうちの一部だけを貸し切る場合もあるようだがこの5110F編成は10両すべてが同じ広告主で「ジャック」されている。
で、この電車の場合どこが「トレインジャック」しているのかと思ったら、なんと公共放送NHKだった。それも「BSプレミアム」の番組のみを紹介している。
どうも4月からの新年度編成に合わせて、BS普及を狙ってBSプレミアムの新番組を中心に紹介しているらしい。それも夜11時台の番組が中心だ。
それにしてもどのポスターやサイネージも、若い女性をターゲットにしたどこかの化粧品やファッションビルの宣伝のようで、一瞬見ただけではNHKとはわからない。どうやらターゲットとしているのは20〜40代の、それも女性を中心とした層ではないかということがわかる。まあ衛星受信契約を伸ばすため、いろいろ苦労しているのだろう。
なにしろ2018年に発表したNHKの3カ年計画によると、2017年度目標だった受信契約率目標80%、うち衛星契約率51%を毎年1ポイントずつ上げていくことを次の目標として掲げている。
この広告宣伝費もこの3カ年計画達成に向けた投資ということだろう。
「渡辺直美のナオミーツ」のポスターは2パターンある
ちょっと見ると番組の宣伝とはわからない
いくら3カ年計画の達成を目指すとはいえ、一般の感覚とずれてはいないだろうか。
こっちは「晴れ、ときどきファーム」、「週末農業」をテーマにしているそうな
ずっと見ているともうわかったのでそろそろ
「いいかげんにしてほしい」と思ってしまう。
そもそも受信契約向上の話を別にして、個々の番組は面白いにもかかわらず視聴率が伸びていないために番宣を打つ必要があるのかもしれないが、それをPRするのは何もトレインジャックでなくてもいいのでは無いか。最近はメディアウォールなどという壁一面の宣伝を使ったNHKの広告もよく見かけるようになったが、その財源は全て受信料だ。結局私たちの払った受信料が民間の広告代理店を儲けさせることに使われているに等しい。
右も左も・・ |
どっちをむいてもBSプレミアムだらけ。。。
この広告を代行しているのは東急グループの大手広告代理店・東急エージェンシーだが、ホームページで紹介されている内容を見ると、1編成を貸し切った場合、14日間で3300000円(税別)となっている。余談だが全編成(田園都市線)の女性専用車の中吊り広告だけを貸し切った場合は7日間で3000000円(同じく税別)ということなので、ほぼ同額のコストをどちらに投入するかはモノによりけりということだろう。おそらく一般的な広告宣伝費からすると、広告媒体としてはそこそこ効果的なのかもしれない。
とはいえ300万円以上の受信料を使ってまで、やることなのか?という疑問ばかりが残るのである。
いろいろなポスターで「うるおいの夜11時」をアピールしてくる
もしかするとそれぞれの番組は面白いのかもしれないが、 これでもか、とばかり見せつけられるとさすがに辟易してしまう |
繰り返しになるがNHKの番組なんて極端な話、視聴率が1%を切ろうが何だろうが、協会の収益に関しては何の問題も無い。もちろん低視聴率の番組ばかり作っていては、NHK全体で視聴者離れを起こしてしまうので、間接的には問題を起こすかもしれないが、しかしそれは二の次の話だ。少なくとも街頭広告で番組に関心を持ってもらおうという作戦はほどほどにしてもらいたいものだ。何でもやりすぎは反感を買うだけだ。
受信料の使い道を誤っていないか?
やっと「ジャック」から解放。
ということで田園都市線に乗ったおかげで、(見るかどうかは別にして)BSプレミアムの夜11台の番組はよくわかりました。。ちなみに自分はきちんと受信料は払っている。
ということで結論。ちゃんと受信契約をしている立場で言わせて貰えば、こういうことに受信料を使うことには反対だ。
そんなこと思いつつ、この日は代官山の東横線跡地にオープンしたクラフトビールの醸造所直営のダイニングバー「スプリングバレーブルワリー東京」で、東横線の地下化で廃止された「旧渋谷第一踏切」を名前の由来に持つという「ファーストクロッシング」を傾けながら、公共放送について悪友と議論を交わしたのである(うそ。)。ちなみにBGMはもちろんオジーの「CrazyTrain」である。
香り華やか 飲み口も爽やか
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